台風15号の行方も気になるところですが、一頃の異常な暑さも一段落、お彼岸を前にして曼珠沙華の花も咲き始め、どことなく秋の気配を感じるようになってきました。
そんな中、連休でもあったので、久しぶりに阿蘇の小国町へドライブに行ってきました。途中、外輪山の草原にはススキの穂も金色にたなびき、知らぬ間に山々には秋が着実に訪れてたみたいです。
小国は阿蘇の北側に位置し、小国杉と呼ばれる良質のスギ材の産地で、かつては林業で賑わいを見せた町でした。今では自然環境の豊かさや文化・歴史等の遺産を巡るツーリズムが盛んです。
今回は熊本市内から昼食や道の駅での買い物を含めて半日ほどのドライブでした。
上の写真は下城地区にある下城の滝です。国道沿いの駐車場から遊歩道を森の中へ、ほんの5分程度で、深い渓谷の中に降りてきたかと思うと、美しい滝が見えてきます。
小国町自体も熊本市内に比べ4〜5度は気温が低いのですが、遊歩道沿いは周囲の緑と水の冷気でさらにひんやりした感覚を味わう事が出来ます。
この川の水は熊本方面ではなく、大分県日田市を通り、福岡県筑後地方を潤して佐賀県で有明海に注ぐ九州一の大河、筑後川に繋がっているそうです。
滝の川向うすぐ後ろには、国の天然記念物に指定されており、小国町を代表する樹木『下城の大イチョウ』があります。幹回り9.6m、樹高25m、推定樹齢1000年と言われる堂々とした雌のイチョウです。毎年、11月には見事に黄葉し、ライトアップされたイチョウの周囲ではイチョウ祭りが開催されるそうです。
このイチョウまで遊歩道を通って新しく架けられた橋を渡れば、駐車場からほんの10分足らずで
行けます。以前は滝の手前で遊歩道は行き止まりだったのですが、新しい橋も架かり、遊歩道も延長されました。おそらく、上の滝と下のイチョウをより身近に感じることが出来るようにとの配慮からだろうと思われます。
このような形で素晴らしい樹木が、皆さんにとってより身近になることは非常に好ましい事だと考えます。
あとは見学する側の人間が根元を踏みつけないだとか、枝を持ち帰ったりしないだとか、モラルを持って楽しむことが大切だと思います。
イチョウの老木に特徴的な事ですが、根元周辺からは多くの萌芽枝(ヒコバエ)が出ていて、樹木のボリューム感を感じさせます。
上の写真は小国町の中心部宮原地区にある水源のケヤキです。ケヤキの根元からは豊かな清水が湧き出しています。
こちらは天然記念物というわけではないのですが、見どころの多い小国町で私のお気に入りの場所の一つです。
幹の内部は完全に空洞で大人がゆっくりと入れるほどになっているのですが、葉っぱがやや小ぶりになっているほかは至って元気です。
緑と水の豊かな町は他にも紹介しきれないほどいい場所が沢山あります。
また、暇を見つけてドライブや、NHK文化センターの講座でも皆さんと一緒に訪れたい場所です。その時はばっちり写真を撮って、ここでご紹介したいと思います。
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